水の神「河童様」

白鬚神社の手水舎には、「河童様」がいらっしゃいます。

この河童様には、素敵な「雨乞い」のお話があるんです。

【ずっと昔、村で日差しが続いて、村人たちは大変な困難に立ち向かっていました。作物はしおれ、水不足に悩まされる日々。そんな中、村人たちは神社に集まり、雨を願う「雨乞い」を始めました。しかし、どんなに願っても雨は降ってこないばかりか、ますます日差しは厳しさを増していったのです。

そんな困難な状況の中、河童様が現れました。彼は微笑みながら村人たちに声をかけました。「一緒に雨乞いをしてみませんか?」村人たちは戸惑いましたが、河童様の提案に感銘を受け、毎日毎日、夜明け前から日が暮れるまで一緒に祈り続けました。

日が過ぎるにつれ、村人たちの心に希望の光が灯り、不安も少しずつ薄れていきました。そしてとうとう、待ち望んでいた雨が降りました。空は重く澄み渡り、大地は恵みの雨に潤いました。雨に打たれながら、村人たちは喜びと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

村人たちはお礼を言いに神社に向かうと、そこには蛙(カエル)が佇んでいました。蛙は穏やかな声で語りかけてきました。「河童様は困っている人々の元へ旅立ちました。しかし、彼が残していった贈り物があります。」と伝え、美しい湧き水の場所を案内してくれました。その水は透明で清らかで、「この水はどんな病気もきれいにしてくれるんですよ。」と蛙は教えてくれました。

実は、河童様は村人たちの病気を知っており、彼らのために病を癒す方法を探していたのです。村人たちは感謝の念を込めて頭を下げ、湧き水を大切に守ることを誓いました。】

この物語は私たちに、「毎日、毎日感謝の心を持つことで、健やかな体と心を守ることができる」という素晴らしい教訓を伝えています。

これは、長川節子さん(前々宮司の妻であり、権禰宜でもあった方)が生前に語ってくださったもの。その教えは、今も私たちの心に温かい光を灯してくれています。

白鬚神社には、教科書などにはない物語や口伝、川柳(せんりゅう)、神楽面などがたくさんあります。

今後、ブログにて書き込みしていきますのでご覧ください。

➢神職ブログはこちら