竜宮伝説「浦島太郎終焉の地」
「社伝」・「白鬚神社 縁起」により。
浦島太郎は、龍宮から高鍋町蚊口の浮き島なる鵜戸を経て帰着したが、頼りの人もなく、自然豊かで水が豊富な白鬚神社の杜(もり)に辿り着き隠棲(いんせい)し終焉の地としたとされる。
浦島太郎は漁師で、藁蓑を常用していたので旧暦11月12日の「フユゴメリ」祭祀には、新藁の丈ぐらいの蓑を編みつくり、約1mの小竹に蓑を被せて御神体(神籬:ひもろぎ)とし、お供え物を具えて「火除け」「水除け」「家内安全」「五穀豊穣」「交通安全」の祈年祭をおこなってきた。
「フユゴメリ」の語源は定かではないが、遠き昔から継承してきた神事である。
白鬚神社が、白鬚大明神と云われた由縁もこの浦島伝説からきており、昭和37年には氏子、崇敬者が祠を新調し「浦島之大神」とし鎮座祭を執行し現在も奉仕を続けている。
※隠棲(いんせい)とは、ひとめのつかない静かな場所に隠れ住むこと。
※藁蓑(わらみの)とは、雨により身体が濡れるのを防ぐために衣服の上からまとう藁でつくった外衣のこと。
※神籬(ひもろぎ)とは、祭祀(さいし)を執り行う際に神様が降臨されるための依り代となるもの。
「浦島大神」を祀る御神体の藁蓑の神籬
現在も、神職が祭礼日と月次祭(一日、一五日)にて、航海安全、漁業繁栄、海上交通安全、豊漁 水難除け、火除け、家内安全、五穀豊穣、交通安全などの祈願を執り行っています。